オタク自省録

オタクのオタクによるオタクのためのブログ

読書記録 限界集落株式会社

お久しぶりです。ここしばらくブログ更新を停止していたのには、その約束違反という業を相殺できるだけの理由があります。嘘です本当はありません。行政書士試験に向けての勉強と、実質的就職活動の開始が原因なのですが、僕の性分上時間の許す限りそれらに注力し続けることは不可能でして、まあ要は記事を更新するのに十分な時間と労力があったわけですね。今ここに悔い改め、適当な頻度で更新していくことを誓います。

さて、上記の言い訳及び誓約において重要なことは、筆者は決して「ブログの週刊化を再開します」とは述べていないことである。『週刊文盲』などという大層な看板を掲げておきながら、自らその志をへし折ったわけである。実に中途半端かつお粗末な宣言であり、筆者の不誠実具合を如実に体現した好例であった。

 

閑話休題。本日は読書記録をしようと思う。といっても、今回紹介する図書は8月に読破したものであり、記憶にあたらしいものではない。しかし、エントリーシートの趣味欄に読書と書いてしまった以上「最近読んで面白かった本はなんですか?」という質問に対して「AV男優しみけんの『光り輝くクズでありたい』です」と答えるわけにもいかず、調子の良い図書を模索していたところ、ビジネスらしい気質を持つ小説を思い出した次第てある。今回紹介するのは限界集落株式会社である。

 

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エリートサラリーマンの主人公がのどかな限界集落で転職期の長期休暇を過ごしていたところ、町役場から集落の解体及び移住を言い渡され、自作農の老人しかいない限界集落をとりまとめ一つの株式会社として団結させることで廃村の危機を乗り越えていく、といった物語である。サクセスストーリーで普通に面白い。

主人公はコンサルタントのような仕事をしていたため、組織化された営利団体を成長させていくことに関しては突出した能力を有している。しかし旧態依然とした村社会や向上心をもたない老人たちに対して営利を求めるために大きな改革を要する主人公の考えはなかなか受け入れられない。そのあたりをいかにして解決していくか、実に見ものである。二度目だが、普通に面白い。

 

この本の講評としては概ね高評価で良いと思うが、肝心なのはこれを面接の場でどのように紹介するかである。巨乳の元キャバ嬢と懇ろになった脇役のおっさんが羨ましい。筆者も老後は限界集落を取りまとめる総長となり田舎臭い芋娘たちのあこがれの的になりたい。そのような本心をハツラツと答えてしまってはお祈りメール待ったなしである。しかし現在の筆者が面接で論理的かつ明確に答えることができるのは右のような下心のみであった。

対策を練らなければならない。限界集落株式会社を最大限に利用できるそれらしい感想を捻り出す必要がある。筆者は考えた。考えあぐね、お気に入りのAV女優のお世話になろうとしたところ、自分に似ているといわれるAV男優しみけんが登場した。筆者の本能的欲求は水風船の如く萎み、その一瞬の賢者タイムで前衛的発想を掴んだ。禍を転じて福となしたのであった。(ちなみにそのアイデアはこの記事を書いているときには忘れている。筆者の妙案は今後一切役に立つことはない。)

 

そして来るべき二次面接。これを通過すれば実質内定が決まるインターンに参加することができる。筆者はバナナ柄の勝負下着を確認し、面接室の思い門扉を開けた。

面接では実に雑多な事柄を訊かれ、更にこちらの論理的思考力を存分に試された。なぜそう思ったのか。これに対する反証はないのか。実現可能性が低いのではないか。矢継ぎ早に繰り返される質問の嵐に筆者は内心辟易していた。違う、そうじゃない。俺が求めている質問はそんなことじゃないんだ。早く聞いてくれ「最近読んだ本はなんですか」と!

そのように常に念じながら受け答えをしていたせいか、筆者の一人称は「私」から「僕」へ徐々にシフトし始め、面接官に対して「いうてなんとかなると思います」などと砕けた言葉を使用するに至り、己の右失態に気づき顔面蒼白となった時には面接は終わっていた。ついに、最近読んだ本を訊かれることはなかった。

 

そのくせ二次面接は受かった。世の企業の目と耳は節穴である。筆者は安心して『光り輝くクズでありたい』を熟読玩味した。